財務三表の見方|利益・財産・現金をつなげる
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書は何を示すのでしょうか。数字を暗記する前に、それぞれが答える問いを押さえます。
内容・出典の確認:
先にポイント
利益が出ていることと、現金が増えていることは同じではありません。一定期間の成績、期末の財政状態、現金の増減をつなげて見ます。
目次 4項目
3つの資料が答える問い
- 損益計算書(PL)
その期間にどれだけ売り、費用をかけ、利益を出したか。
- 貸借対照表(BS)
ある時点で何を持ち、どのように資金を調達しているか。
- キャッシュフロー計算書(CF)
その期間に現金がどこから入り、何に使われたか。
増収でも利益が減る例
仮に売上が100から120へ増えても、費用が90から115へ増えると利益は10から5へ減ります。増収率だけを見ず、原材料費や人件費など、何が利益を押し下げたかを確認します。
企業比較では同じ期間・通貨・会計基準を意識します。四半期単独と期初からの累計、会計上の利益と調整後の利益を混ぜると、成長率の意味が変わります。
利益が出ても現金が増えない例
商品を販売して売上を計上しても、代金の入金が後なら、利益と現金は同じ時期に増えません。反対に借入れで現金が増えても、それだけで本業が好調とはいえません。
CFでは本業に関わる営業活動、設備などへの投資活動、借入れや返済などの財務活動を分けて見ます。大きな設備投資による支出は、金額だけでなく投資の目的と回収見通しが論点です。
決算を読む順序を決める
- まず対象期間・単位・会計基準を確認する。
- 売上と利益の増減を見て、企業の説明を読む。
- 売掛金や在庫、負債がどう変化したかを見る。
- 現金の増減とその理由をCFで確かめる。
- 注記、事業上のリスク、会社予想の前提へ進む。
比率の望ましい水準は業種や事業段階で異なります。1つの数値だけで安全・危険と決めないことが大切です。