AI・半導体の決算、見る数字はこの4つ
「AIが好調」の一言から、売上高・利益率・会社予想・事業別の内訳へ。決算を読むための基本ガイドです。
内容・出典の確認:
全社の伸びとAI関連事業の伸びを分け、同じ期間・同じ会計基準の数字で比べます。
目次 5項目
最初は、この4項目を同じ表に
以下は、かぶ日和が提案する確認の順番です。決算短信や決算説明資料を開き、同じ対象期間の数字を揃えてから読み進めます。決算期が異なる企業を比べるときは、対象となる月にも目を向けます。
| 項目 | 読み取ること | 合わせて確認 |
|---|---|---|
| 売上高 | 事業規模がどう変わったか | 前年同期比か前四半期比か |
| 利益率 | 売上のうち利益として残る割合 | 売上総利益率か営業利益率か |
| 会社の業績予想 | 経営側が示す今後の見通し | 以前の予想からの変更と前提 |
| 事業別の数字 | 伸びている領域がどこか | AI関連の範囲を開示しているか |
増収でも、利益率は下がることがある
営業利益率は「営業利益 ÷ 売上高 × 100」で求めます。売上高が増えていても、費用の増加がそれを上回れば、営業利益率は低下します。売上高の伸び率だけで、利益の残り方まで判断しないようにします。
| 前の期 | 今の期 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 100 | 120 |
| 営業利益 | 20 | 18 |
| 営業利益率 | 20% | 15% |
「AIが好調」は、どこまでの数字か
ニュースにAI需要への言及があっても、全社の売上高をすべてAI由来として扱うことはできません。資料にAI関連の売上高が独立して示されているか、データセンターなど、より広い区分の数字なのかを確認します。
開示されていない内訳は「不明」として残します。装置・材料・設計・製造など事業が違えば、同じニュースの影響も異なり得るため、他社の好調をそのまま当てはめない読み方を提案します。
予想の変更理由と、未確認の点を残す
会社予想が修正されたら、新しい数字だけでなく、以前の予想と変更理由も確認します。東証は、修正の理由について、前提条件や事業分野別の動向などを踏まえた具体的な説明を求めています。
実績と予想、会社が述べた理由と読者の推測を分けてメモします。次の決算で確かめたい点を残すと、ニュースを継続して読み比べやすくなります。
実例:会社予想・実績・調整後利益を混ぜない
Nucorが2026年9月17日に公表した資料では、第3四半期の希薄化後EPSを5.55~5.65ドルと予想しています。これは将来の会社予想です。同じ資料にある第2四半期の5.04ドルは会計上の実績、4.84ドルは特定の評価益を除いた調整後実績で、意味が異なります。
会社は第3四半期について、製鉄所部門と鉄鋼製品部門の増益、原材料部門の減益を予想しました。さらに、第2四半期には過年度の原材料調達費に関する1億3,000万ドルの現金還付や、Helionへの投資評価益が含まれ、同様の要因を第3四半期には見込んでいないと説明しています。
| 数字 | 値 | 読み方 |
|---|---|---|
| 第3四半期EPS | 5.55~5.65ドル | 会社予想 |
| 第2四半期EPS | 5.04ドル | 会計上の実績 |
| 第2四半期調整後EPS | 4.84ドル | 会社定義の調整後実績 |
| 前年第3四半期EPS | 2.63ドル | 前年同期の実績 |